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肩関節学会40年史

第27回日本肩関節学会の開催にあたって

会長
高木克公

 肩に関する学術集会として、世界で最も古い歴史を有するこの第27回日本肩関節学会を熊本の地で開催させていただくことを、大変光栄に存じております。
 今回は主題として(1)肩関節疾患の基礎的研究、(2)腱板断裂、(3)肩関節不安定症を取り上げ、応募演題147題すべてを採用させていただきました。そのなかからシンポジウムI「腱板の基礎的研究」シンポジウムII「腱板断裂:診断・治療上の問題点」パネルディスカッション「外傷性肩関節不安定症の鏡視下手術」を構成いたしました。昨年度から企画された症例検討はモーニングディスカッション症例検討会として継承させていただきました。
 海外からは2名の演者を招き、アメリカからJ. Shoulder Elbow Surg.の編集長であるProf. R. J. Neviaserに“The rotator cuff: current concepts.”、イギリスからMr. J. I. L. Bayleyに“The value of instability classification: presenting a new classification and its clinical relevance.”の招待講演を企画いたしました。いずれも主題テーマに関連した内容のご講演であります。
 全応募演題を採用した上に、一会場の原則は維持するためには、主題を含めて多くの演題を展示発表とさせていただくことになりました。この点に関して、賛否両論があることは十分に認識しておりますが、何はともあれ出来るだけ多数の会員の方々に、この学術集会に足を運んでいただくことを最優先としたのであります。「肩関節の基礎的研究」を主題といたしましたのは、肩関節に関する臨床上の問題点は、肩関節に精通したわれわれ自身が、その基礎的研究を通じて解決の道を探求することが必須であると考えているからであります。勿論、演題あるいは研究は臨床的問題にもっと密着すべきだという意見があることも承知した上でのことです。
 晩秋の熊本は、ご参加いただきます皆様方には、きっと満足していただけるものと信じております。学会場の真正面には、天下の名城、熊本城が聳え、足をのばせば、宮本武蔵がこもった霊巌洞そして風光明媚な阿蘇の山々が控えております。どうか本学会に、多数の方々にご参加いただき、日本肩関節学会を実りあるものとしていただくようにお願い申し上げます。

写真1)
左から森澤佳三先生、北村歳男先生、招待講演をされたIan Baley先生、髙木克公教授(於 熊本大学整形外科医局)

写真2)
左から丸山夫人、髙岸憲二先生、熊谷純先生、福田公孝先生、Neviaser夫人、招待講演をされたRobert Neviaser先生、丸山公先生(於Good Time Charlie, 熊本市)

写真3)
左から熊谷純先生、福田公孝先生、Neviaser夫人、招待講演をされたRobert Neviaser先生、髙岸直人教授、丸山公先生(於Good Time Charlie, 熊本市)

写真4)
左から筒井廣明先生、髙岸直人教授、招待講演をされたIan Baley先生、小川清久先生(於Good Time Charlie, 熊本市)