歴代会長の紹介歴代会長の紹介

肩関節学会40年史

第3回肩関節研究会

会長
髙岸直人

 第3回日本肩関節研究会は福岡大学医学部整形学教室の髙岸直人教授が会長として、昭和51年11月4日 土曜日の終日を用いて、福岡市の西日本新聞会館ビルにあります福岡国際ホールで開催されました。演題数は35題で、特別講演はColombia大学のProf Charles S Neerの”Displaced fracture and fracture-dislocation of the upper humerus”の題目で行われております。
 投稿論文をみて見ますと、”巨大な肩甲骨巨細胞腫に対して行ったtotal scapulectomy”、“鎖骨切除の肩関節機能に及ぶ影響について”、などの大変興味深い発表がなされ、この年に、日本肩関節学会ではじめてNeer型人工関節に関する演題が4題も報告されていました。また、大変驚かされるのですが、100例にも及ぶBristow法に関する成績も報告されております。当時の掲載論文の末尾には、質疑応答が記載されており、発表された論文に対する生き生きとした学術集会の雰囲気を知ることが出来ます。
 この第3回の研究会の発表から論文として掲載される事になり雑誌肩関節第1巻第1号の発刊となりました。学会の黎明期に大変は苦労を伴って発刊されたものと拝察致します。そのご苦労が偲ばれる第1巻第1号の編集後記を下記にあげさせて頂きたいと存じます。

(文責 柴田陽三)

編集後記(髙岸直人著)
 何十年ぶりという寒気に襲われた北半球にもやっと春がめぐってきたようです。難産でしたが、先生方のご厚意によりまして「肩関節」第1巻をやっと先生方のお手元にとどけることが出来るようになりました。何分にも素人の集団で作りましたので必ずしも先生方のお気に沿うたものが出来たとは思いませんが、初めてということと私達の努力に免じてお許し下さい。第2巻、第3巻とますますの発展を祈りながら。